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この記事は ポルトガル2週間の旅で最初の4泊を過ごしたリスボンの記録です。1日目はシアードとサンタ・ジュスタのエレベーター、2日目はサン・ジョルジェ城の夕焼け、4日目はベレンで大航海時代の名残を歩き、5日目の朝にレンタカーを受け取ってリスボンを発つまでを、日付順にまとめました。
3月17日日曜 · 1日目
- リスボン空港に到着、空港送迎の車でシアードの宿へ
- シアードで最初の軽食
- ピンク・ストリート
- 殉教者の聖母聖堂、ナタとエスプレッソ
- サンタ・ジュスタのエレベーターと最上部の展望台
- シアードで魚介の夕食
3月18日月曜 · 2日目
- LXファクトリー、近くの食堂で昼食、果物屋
- SNBA美術館
- サン・ジョルジェ城、夕焼けと城壁
- フィゲイラ広場、お寿司の夕食
- アウグスタ通りの凱旋門、コメルシオ広場
3月19日火曜 · 3日目
- シントラ・ロカ岬・カスカイスへ日帰り 別の記事にまとめました
3月20日水曜 · 4日目
- 荷物を預けて、タクシーでベレンへ
- ジェロニモス修道院
- パステイス・デ・ベレンでナタ
- アデガ・デ・ベレンで遅めの昼食
- 国立馬車博物館
- ベレンの塔
- 川沿いのマリーナ、手釣り
- 発見のモニュメント
- タクシーで市内へ、バイシャの小さなホテル
3月21日木曜 · 5日目の朝
- 市内の営業所でレンタカーを受け取り、南へ出発
- 時期2024年3月17日(日)〜21日(木)午前、旅の1〜5日目
- 天気最高気温は3月17日25℃、18日24℃、20日21℃。3日とも雨なし
- 入場・料金有料 · サン・ジョルジェ城、ジェロニモス修道院の回廊、国立馬車博物館、ベレンの塔、発見のモニュメントの展望台無料 · シアードとバイシャの街歩き、コメルシオ広場、川沿いの遊歩道料金は下の「知っておきたいこと」にまとめました。
- 交通リスボア・カードで乗車 · サンタ・ジュスタのエレベーター(2025年9月から運休) · 城へ上る737番バス · 28番トラムベレンの行き帰りはタクシー · 21日の朝は市内の営業所でレンタカー
- 予約空港送迎の車は前もって予約しました。サン・ジョルジェ城は現地で入場料を払いました。
- 同行者大人2人、子ども1人
- 宿リスボン中心部のアパートメントタイプの宿(無人チェックイン)に3泊4日目の夜はバイシャの小さなホテルに1泊
目次
ポルトガル2週間の旅の最初の4泊は、リスボンで過ごしました。3月17日の昼に空港に降り立ち、21日にレンタカーを受け取って南へ向かうまで、市内とベレンを3日かけて歩き、1日はシントラ・ロカ岬・カスカイスへ足を延ばしました。この記事は、そのうち市内とベレンで過ごした3日間(17日・18日・20日)を日付順にまとめた、子ども連れのリスボン観光の記録です。19日のシントラ・ロカ岬・カスカイスへの日帰りは別の記事に書き、21日の朝にレンタカーを受け取ってリスボンを発つ場面でこの記事を締めくくります。
リスボン3日間のルート概略図・2日目のLXファクトリーとSNBA美術館は地図の外、3日目のシントラ・ロカ岬・カスカイスは別の記事にあります
リスボン観光1日目の午後、シアードとバイシャを気の向くままに
お昼ごろリスボン空港に着き、前もって予約しておいた送迎の車で30分ほど走って、シアード(Chiado)の宿に荷物を置きました。リスボン観光の細かな予定は決めず、初日は気の向くままに歩きました。空港から宿までの行き方は下にまとめ、レンタカーやカードなどの準備はポルトガルの移動と準備編に別にまとめています。
予報の気温を見ただけでは、どんな天気なのか見当がつきませんでしたが、外に出てみると空は晴れていて、歩くのにちょうどいい陽気でした。お店やレストランの人たちは、会計が終わったあとも温かいひと言をかけてくれます。そのひと言が、初日のリスボンの印象になりました。
ポルトガルで最初に食べたのは肉のコロッケで、続いておいしい鶏肉料理と甘いエッグタルトを食べました。
シアードで少し買い物をしてから、路面をピンクに塗ったピンク・ストリート(Rua Nova do Carvalho)を通りました。近くの路地の上には、色とりどりの傘がずらりと吊るされていました。
リスボンにいた数日間、このピンクの通りが見えてくると宿が近いとわかるので、道を探すときの目印になってくれました。

ナタとエスプレッソ、そして教会をひとつ
日が傾くころ、シアードのガレット通り(Rua Garrett)へ上り、殉教者の聖母聖堂(Basílica de Nossa Senhora dos Mártires)に少しだけ立ち寄りました。教会を出てからは、近くのお店でナタ(Pastel de Nata、ポルトガルのエッグタルト)とエスプレッソを頼みました。
この旅では、ナタを本当によく食べました。目についたお店に入ってはひとつずつ買い、エスプレッソを1杯添えるのが私たちの定番でした。どこで買っても外れがなくおいしく、子どももナタが気に入って、お店ごとに味がどう違うのか確かめようとしていました。ポルトガルで食べたものとスーパーの買い出しは、ポルトガル料理編にまとめています。


空港から市内へ
空港送迎の車は前もって予約しておきました。到着ロビーからシアードの宿の前まで30分ほどで、荷物が多く子ども連れだったので、初日だけは玄関先まで送ってくれる車が楽でした。車を使わずにメトロ(地下鉄)で行くこともでき、リスボア・カードがあればメトロにもカードで乗れます。
SIMカード
初日の午後のひとときは、市内のボーダフォン(Vodafone)の店でSIMカードを買うのに使いました。2週間使う分として、2人で1枚ずつ、計2枚買いました。
サンタ・ジュスタのエレベーター、最初の夜のリスボン
夜7時ごろバイシャ(Baixa)へ下り、サンタ・ジュスタのエレベーター(Elevador de Santa Justa)の前に立ちました。下のバイシャと丘の上のカルモ広場(Largo do Carmo)を結ぶ鉄製のエレベーターです。エッフェルの弟子として知られるラウル・メスニエ(Raoul Mesnier du Ponsard)が手がけ、1902年に開業した当時は市内を行き来する公共交通だったそうです。ただ、このエレベーターは2025年9月から運行を止めていて、今は乗れません(下の「今は乗れません」を参照)。
夜になると、鉄骨に明かりがともりました。木でできた昔ながらのかごに乗って最上部の展望台に出ると、足もとにはバイシャの整然とした通りがまっすぐ延び、向かいの丘の上にはサン・ジョルジェ城の明かりが見えます。翌日の夕方、私たちが夕焼けを見に行ったのがその城です。
展望台から狭いらせん階段をもう一段上ると、四方が開けた場所に出ます。しばらく街を見下ろしてから上の出口を出て、カルモ広場のほうへ歩きました。







行き方
バイシャ側の下の入口は、サンタ・ジュスタ通り(Rua de Santa Justa)にあります。シアードやカルモ広場のほうから歩いていくと、上の出口から展望台にそのまま着きます。
今は乗れません
- 2025年9月から運行を止めています。2027年1月に再開する見込みとの報道がありましたが、運営するCarrisは日付を確定していません。2026年10月にCarris(リスボンの市バス・トラムの運営会社)の公式サイトを見ると、最上部の展望台も一時閉鎖と案内されていました。行く予定なら、まずCarrisのお知らせで運行状況を確認してください。
- 運行しているときはCarrisの路線なので、リスボア・カードで乗れます。最上部の展望台はカードに含まれず、別料金と案内されています(リスボン観光局の案内、2026年10月確認)。
- 似た眺めは、シアードの上にあるサン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台(Miradouro de São Pedro de Alcântara)から楽しめます。バイシャと城を一緒に見下ろせます。この展望台へ上るグロリアのケーブルカー(Ascensor da Glória)も2025年9月の事故以来止まっているので、今は歩いて上ることになります。
滞在時間
2024年3月に私たちが行ったときは行列が長く、7時5分ごろに下の入口の前に並んで、かごに乗れたのは8時近くでした。50分近く待ったことになります。エレベーターにはリスボア・カードで乗りました。並んだ時間も含めると、入口の前に着いてから展望台を離れるまで1時間15分ほどかかりました。
知っておくと便利なこと
- 夕暮れから夜がおすすめです。明かりのともったバイシャの通りとサン・ジョルジェ城を一度に見渡せます。
- 最上部の展望台の上へ続くらせん階段は幅が狭いです。子どもの手を引いて上るほうが安心です。
- 上の出口はカルモ広場につながっているので、帰りはそのままシアードのほうへ歩いていけます。
シアードで魚介の夕食
夕食は、シアードのシーフードレストラン、サクラメント・ド・シアード(Sacramento do Chiado)でとりました。ポルトガル風の魚介のリゾット、アローシュ・デ・マリシュコ(Arroz de Marisco)は汁気が多く、魚介のスープでご飯を煮込んだ雑炊のような味で、私たちにもなじみのある味でした。ニンニクとパクチーで蒸したあさりの料理も一緒に頼みました。


子どもは、この魚介の夕食をこの日いちばんよかった時間に選びました。
女性の店員さんがとても親切でした。注文を取るときも料理を運ぶときも、やさしい言葉をひと言ふた言添えてくれて、子どもには目線を合わせて、いっそう親しげに接してくれました。ポルトガルでは、こうしてひと言を足してくれる親切さが本当にうれしかったです。
2日目の昼、LXファクトリーとSNBA美術館
月曜日は、リスボンの国立の博物館や記念建造物が休みの日です。そこで2日目の昼は、開いている場所を選んでゆっくり回りました。朝遅く、カフェでナタとコーヒーから1日を始めました。
LXファクトリー(LX Factory)は、古い工場の建物に、かわいらしいお店や飲食店が集まった場所です。昼食は近くの地元の食堂、オ・エスコルピアン(O Escorpião)で、タラと鴨の料理を食べました。一緒に頼んだワインは値段のわりに量が多く、注文がちゃんと通っているのか、もう一度確かめたほどでした。
LXファクトリーのあるアルカンタラ(Alcântara)のあたりは、観光客が訪れる場所でありながら、古い路面電車の車庫や色とりどりの古い家が続く、地元の街の雰囲気がそのまま残っていました。午前中は曇っていた空も、お昼ごろにはすっきり晴れました。
食堂の近くの果物屋は、道ばたに植木鉢や果物の箱を並べた小さな町のお店でした。半分に切ったスイカやパパイヤの並ぶ台に昼の日差しが降りそそいでいた様子は、今も温かい場面として心に残っています。ここでイチゴとみかんを買いました。子どもは、こぶしほどもある大きなイチゴを食べるんだと大はしゃぎでした。
午後は、開いていたSNBA美術館(Sociedade Nacional de Belas Artes)に立ち寄りました。ちょうど、1974年4月25日のカーネーション革命から50年を記念する展覧会(50 Anos de Abril na SNBA)が開かれていました。展示を少し見てから、近くのベーカリーで甘いパンと飲み物をとってひと休みしました。


サン・ジョルジェ城、テージョ川に沈む夕日
前の晩にサンタ・ジュスタのエレベーターの展望台から眺めたサン・ジョルジェ城(Castelo de São Jorge)を、夕方遅くに訪ねました。リスボア・カードでバスに乗り、かなり急な坂を上って城の入口の前で降りました。城は当時のリスボア・カードに含まれていなかったので、現地で入場料を別に払いました。
城の内外には、クジャクが本当にたくさんいました。クジャクが高い木に上って枝の上で休むことを、私たちはその日初めて知りました。鳴き声がとにかく大きくてにぎやかで、子どもをはじめ、あちこちで観光客がその声をまねしていました。



城壁と塔は日が沈むとすぐに閉まると聞いたので、日が沈む前に急いで城壁に上りました。城壁のところどころには、敵が攻めてきたときに大砲や銃を突き出せるように開けた砲門(gun port)がありました。
日は6時40分ごろ、テージョ川(Tejo)の向こうに沈みました。城壁の向こうに、赤く染まったリスボンの街とテージョ川が広がりました。

日が傾くと、思わず「わあ、本当にきれい」という言葉が出ました。オレンジ色の屋根の上に夕日の光がにじみ、赤い夕焼けが降りてくると、この場所ならではの空気が生まれます。城の上からは街が一望できるので、子どもは、あの屋根のどこかに私たちの宿もあるはずだと、しばらく探していました。


城壁の上の道を歩きながら、私たちはその時代に戻ったかのように、長いあいだ話をしました。この丘の城壁が最初に築かれたのは、イスラム勢力がイベリア半島を治めていた10世紀ごろです。1147年には、ポルトガルの初代国王アフォンソ・エンリケス(Afonso Henriques)が、第2回十字軍の途中に立ち寄った北ヨーロッパの騎士たちとともに4か月近くリスボンを包囲し、城を手に入れました。14世紀には隣のカスティーリャ王国の軍が攻めてきて、城と街は1373年と1383〜1384年に何度も持ちこたえました。
さっき見た砲門の話を子どもにすると、子どもは自分なら敵が上ってきたときにどこでどう防ぐか、作戦をひとつずつ出してきました。2時間以上もあれこれ考えを話し続け、翌日になってもその話の続きをしていました。

暗くなった城をあとにして、お店でアイスクリームを買って食べました。


行き方
バイシャから城までは上り坂が急なので、リスボア・カードでバスに乗って上り、帰りもバスに乗りました。行きにカテドラル(Sé、大聖堂)の停留所から乗ったのは、フロントガラスに「737 CASTELO」と書かれた737番のバスでした。737番はフィゲイラ広場(Praça da Figueira)を出て大聖堂の前を通り、城のすぐ下まで行きます。城の公式サイトでは、歩いて上るなら市内のカステロ(Castelo)とシャン・ド・ロウレイロ(Chão do Loureiro)の公共エレベーターを使うと上り坂を減らせると案内しています(2026年10月確認)。
滞在時間
城門を入ってから、アイスクリームを買って下りるまで1時間10分ほどいました。夕焼けと城壁の両方を見るなら、日没の30分〜1時間前に着くのがおすすめです。
知っておくと便利なこと
- 3〜10月は城自体は夜9時まで開いていますが、城壁と塔は日没の時刻に合わせて夕方6時〜9時のあいだに先に閉まることがあります。夕焼けを見てから城壁に上ろうとすると、間に合わないかもしれません。
- 城の内外にクジャクがたくさんいます。木の枝の上にとまっているクジャクにも注目してみてください。
フィゲイラ広場とお寿司の夕食
城から下りて、フィゲイラ広場(Praça da Figueira)に着きました。広場の真ん中には馬に乗った王の像が立っていて、夜の広場はがらんと広く感じられました。近くのサン・ニコラウ教会(Igreja de São Nicolau)を少し見てから、夕食に向かいました。
リスボンにはレストランがたくさんありましたが、子どもが今日はどうしてもお寿司が食べたいと言いました。ちょうど城へ上る途中で見かけたキク・スシ(KIKU Sushi)があったので、そこへ行きました。お寿司がおいしくて、みんな満足して食べました。


アウグスタ通りの凱旋門を抜けてコメルシオ広場へ
夕食のあと、バイシャの大通りを歩いてアウグスタ通りの凱旋門(Arco da Rua Augusta)をくぐりました。1755年のリスボン大地震のあと、街を建て直す中でつくられた門で、1875年に完成しました。
凱旋門を抜けると、テージョ川に面したコメルシオ広場(Praça do Comércio)が広がります。胸がすっと開けるような広い広場で、子どもの足取りも軽くなりました。子どもはこういう広い広場が好きで、車が通らず夜も混んでいないので、思いきり走り回れました。
広場では、ひとりの若者が、ゴムで打ち上げるとLEDの光を放ちながらくるくる回って落ちてくるプロペラのおもちゃを売っていました。売り手の人が光を打ち上げて見せているのを通りがかりに見て、その日ひとつ買いました。観光地なので値段は少し高めでしたが、売り手の人はとても親切に接してくれました。子どもはすぐにコツをつかみ、打ち上げては走って受け止めるのを何度も繰り返しました。川辺のコルナス埠頭(Cais das Colunas)を少し眺めたあとも、また広場に戻ってプロペラを打ち上げ、この日を終えました。



コメルシオ広場で見た光るおもちゃ
ゴムで打ち上げると光りながらくるくる落ちてくるおもちゃで、子どもが打ち上げては走って受け止めて遊べます。子どもが広場で買ったものと同じ商品ではありません。
3月19日 3日目はリスボンを出て、シントラとロカ岬、カスカイスを1日で回りました。その1日は別の記事にまとめています。
4日目、市内からベレンへ
3月20日、リスボン滞在4日目に、とっておいたベレン(Belém)へ出かけました。ベレンはリスボン市内からテージョ川(Tejo)に沿って西にある地区で、大航海時代の名残が1か所に集まっています。ジェロニモス修道院でヴァスコ・ダ・ガマの墓を見て、元祖として知られるお店でナタを食べ、馬車博物館とベレンの塔を経て、日が傾くころ発見のモニュメントの前まで川沿いを歩きました。
ポルトガルの旅でよかったものを挙げるなら、大航海時代とヴァスコ・ダ・ガマは外せません。その名残がいちばん多く集まっているのがベレンです。
この日は、市内のアパートメントタイプの宿を出る日でした。無人チェックインの宿で荷物を預かってもらえなかったので、荷物預かりアプリを使って近くの別の場所に預けました。荷物を載せて走ったタクシーの運転手さんは、景色を見せてあげると言って、わざと川沿いのほうへ少し回り道をしてくれました。日差しの気持ちいい日の川沿いの遊歩道と広場、丘の上にぎっしり建ち並ぶ家々が、車窓を流れていきました。
午前の予定を終えてタクシーでベレンへ向かい、12時45分ごろジェロニモス修道院の前で降りました。

行き方
市内からベレンへは、15E番のトラムが走っています。フィゲイラ広場(Praça da Figueira)を出てカイス・ド・ソドレ(Cais do Sodré)を通り、ベレンでは「ジェロニモス修道院(Mosteiro Jerónimos)」と「ベレン(馬車博物館)」の停留所に止まります(Carris公式サイト、2026年10月確認)。リスボア・カード(Lisboa Card)があれば、市内のトラムにカードで乗れます。
私たちは行きも帰りもBoltのタクシーに乗りました。Boltは、Uberのようにアプリで車を呼び、アプリに登録したカードで支払うサービスです。
知っておくと便利なこと
ジェロニモス修道院、国立馬車博物館、ベレンの塔は月曜日が休みです。発見のモニュメントとパステイス・デ・ベレンは月曜日も開いています。ベレンは月曜日を避けて予定を組むのがおすすめです。
ジェロニモス修道院、ヴァスコ・ダ・ガマが眠る場所
ベレンで最初に訪れたのが、ジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos)です。マヌエル1世の時代に、ヴァスコ・ダ・ガマ(Vasco da Gama)の航海の成功をたたえて建てられた修道院で、完成までに約100年かかったそうです。海と航海をモチーフにしたマヌエル様式の装飾が、華やかで壮大でした。ベレンの塔とともにユネスコ世界遺産に登録されています。
まず教会に入りました。教会の中には、ヴァスコ・ダ・ガマと、ポルトガルの詩人ルイス・デ・カモンイス(Luís de Camões)の石棺が置かれています。名前でしか知らなかった2人がまさにここに眠っているのだと思うと、あらためて不思議な気持ちになりました。


教会を見たあとは、2層になった回廊(Claustro)を上下とも回りました。柱とアーチの一つひとつに、繊細な装飾がびっしりと彫り込まれています。



滞在時間
12時45分ごろに着いて、2時半ごろに出ました。教会と回廊をすべて見るのに2時間近くかかりました(写真の撮影時刻による)。
ジェロニモス修道院の入場券
ベレンでいちばん長く過ごした場所です。入場券は前もって買っておくこともできます。
パステイス・デ・ベレンと遅めの昼食
修道院から東へ少し歩くと、パステイス・デ・ベレン(Pastéis de Belém)があります。1837年から修道院に伝わるレシピでナタを焼き続けている、元祖として知られるお店です。
2時50分ごろ、お店の前の列に並びました。それほど待たずにナタを受け取り、お店の前ですぐに食べました。ポルトガルでは、どのお店のナタもおいしかったのですが、元祖のナタは皮がもう少しサクサクしていました。
ナタを食べてから、近くのアデガ・デ・ベレン(Adega de Belém)で遅めの昼食をとりました。じゃがいもと豚肉、あさりが一緒に入った料理と、イワシの塩焼きを頼みました。

国立馬車博物館
昼食のあと東へ歩いて、国立馬車博物館(Museu Nacional dos Coches)へ行きました。1905年に、アメリア王妃が集めた馬車をもとに開館した博物館だそうです。思っていたより規模が大きくて驚きました。これまでの人生で見た馬車を全部合わせても、もしかするとこれから見る馬車を全部合わせても、ここで見たほど多くて多彩にはならないだろうと思いました。大きく華やかな馬車と、そこに刻まれた装飾や象徴は、私が思い描いていた馬車の世界を超えていました。


滞在時間
4時少し前に入り、30分ほど見て回りました(写真の撮影時刻による)。ベレンの塔まではBoltのタクシーを呼びました。
ベレンの塔、河口の要塞
ベレンの塔(Torre de Belém)は、テージョ川が大西洋と出会う河口に立っています。16世紀初めに河口を守るために建てられた要塞の塔で、ここもマヌエル1世の時代に、ヴァスコ・ダ・ガマの遠征をたたえて建てられたといわれています。防御と見張りを担い、政治犯を閉じ込める牢獄としても使われました。
4時40分ごろに着いて列に並びました。中へ上る階段が狭く、入場する人数を区切って入れるので、列ができやすいのです。並んでいるあいだ、子どもは川の中に何か見えないかと、何度も川辺を行き来していました。
塔の中に入れたのは5時を少し過ぎてからでした。最上部のテラスからはテージョ川と対岸が見下ろせ、細い窓の向こうを白い帆船が通り過ぎていきました。


のちに子どもはサン・ジョルジェ城をまねてお城の絵を描きましたが、遊園地で見るような橋は、ここベレンの塔から思いついたのだと言っていました。
滞在時間
並ぶのに25分ほど、塔の中に30分ほどいました(写真の撮影時刻による)。閉館が17:30なので、夕方に行くなら並ぶ時間まで含めて余裕をもっておくのがおすすめです。
マリーナの魚と手釣り
ベレンの塔から発見のモニュメントまでは、川沿いを歩きました。途中、ヨットが停泊しているマリーナを通りかかると、子どもは水の中の魚の群れに夢中になりました。船のあいだに、大きな魚が何十匹も見えました。この旅で子どもがほとんど唯一おねだりしたのが、このときの釣りでした。
結局、持ってきた手釣りの道具を取り出して、マリーナの横の別の水辺で釣り糸を投げてみました。ところが、おもりがとんでもない方向へ飛んでいってしまい、それ以上は釣りができなくなりました。子どもはがっかりした気持ちを隠せませんでした。

子どもと持っていく手釣りの道具
私たちが持っていった手釣りの道具と同じ商品ではありません。糸を巻いておける糸巻きの付いた、小さな釣りセットです。
発見のモニュメント、大航海時代の顔ぶれ
発見のモニュメント(Padrão dos Descobrimentos)は1960年に建てられた、ベレンの中ではずっと新しい記念碑です。船首の形をした記念碑の両側に、エンリケ航海王子を先頭に、大航海時代を切り開いた33人の人物が刻まれています。6時15分ごろ、傾いていく日差しで記念碑が黄色く染まっていました。
子どものころ、大航海時代を題材にしたゲームで遊んだことがあったので、なじみのある名前ばかりでした。この時代は西洋の社会と世界のあちこちに跡を残した大切な時期なので、ポルトガルの人たちにとってはどれほど大きな過去の栄光なのだろう、と思いました。


滞在時間
6時15分ごろから20分あまり、記念碑のまわりを歩きました(写真の撮影時刻による)。外から見るだけならチケットはいりません。

バイシャの小さなホテルで1泊
6時半を少し過ぎたころ、Boltのタクシーで市内に戻りました。朝に預けた荷物を受け取り、この夜泊まるバイシャの小さなホテルへ移りました。初日に上ったサンタ・ジュスタのエレベーターのすぐ横です。リスボンにもう1泊すると決めたので、翌日の午前に出発しやすい街の真ん中に、その日のうちに取った宿です。
システムの不具合でチェックインをしばらく待ち、カードキーも2回うまく使えませんでしたが、そのたびにスタッフが親切に助けてくれました。部屋はこぢんまりしていました。
夕食は近くのバイシャで、タコ料理と魚介のリゾットを食べました。夜は宿の近くのバーガーキングに行きましたが、前日にカスカイスで始まった子どものバーガーキングのおもちゃ集めが、ちょうど盛り上がっていたころでした。

バイシャ・シアードの宿
サンタ・ジュスタのエレベーターやロシオ広場の近くは、歩いて回るのに便利です。私たちが泊まった宿と同じところではありません。
5日目の朝、レンタカーを受け取ってリスボンを発つ
3月21日の朝は、ホテルで荷物をまとめ、市内のレンタカーの営業所(Europcar, Lisbon Downtown)へ向かいました。契約書に書かれた受け取り時刻は午前10時48分です。車はトヨタで、この車で3月26日にポルトで返すまで、ポルトガルを走りました。
にぎやかな街を離れて別の場所へ向かう道なので、名残惜しさもあり、どんな景色が待っているのかという楽しみもありました。数日のうちに見慣れた街を離れる道でもありました。
リスボンを発って最初に向かったのは、南のアルガルヴェの海岸でした。その後の行程はポルトガル2週間のモデルコースに、レンタカーの乗り捨てと準備は移動と準備編にまとめています。
リスボン市内の移動手段
リスボンは7つの丘の上につくられた街なので、上り坂と下り坂がたくさんあります。市内はほとんど歩いて回りました。シアードとバイシャ、カルモ広場はお互いに歩いて行ける距離で、急な坂やベレンのような遠い場所にはバスとタクシーを使いました。レンタカーやeSIM、カードなどの移動の準備はポルトガルの移動と準備編にまとめています。
リスボア・カード
リスボア・カードは、リスボン・メトロとCarrisのバス・トラム・エレベーター、シントラ・カスカイス行きのCP(ポルトガル鉄道)の電車に乗れて、博物館や見どころ数十か所にも入れるカードです。24・48・72時間券があり、使い始めた時刻から時間が数えられます。大人(16歳以上)と子ども(4〜15歳)で料金が分かれていて、4歳未満は無料です(リスボン観光局とチケット販売各社のページ、2026年10月確認)。販売ページによっては、前もって買うと、空港の到着ロビーなどにあるAsk Me Lisboaの案内所でバウチャーを実物のカードに引き換える必要があります。私たちはこのカードで、サンタ・ジュスタのエレベーター、城へ上る737番バス、28番トラムに乗りました。
同じ販売ページでは、今はサン・ジョルジェ城も含まれています。ジェロニモス修道院、ベレンの塔、国立馬車博物館の入場も含まれていると案内されています(リスボア・カードの販売サイト、2026年10月確認)。ただし、13〜15歳は城の入場券が別に必要と書かれているので、その年齢の子どもと行くなら、買うときに確かめておくと確実です。
リスボア・カード
メトロやバス・トラムに1日に何度も乗り、城のような見どころにも入る予定なら、1枚で済むカードが便利です。シントラ行きのCPの電車にも乗れ、今は城の公式料金表に大人のカードは無料と書かれています(2026年10月確認)。私たちもこのカードを使いました。
Boltのタクシー
坂がきついときや少し遠い場所には、Boltのタクシーを呼びました。ベレンの行き帰りもタクシーでした。リスボンとポルトでは、タクシー代がとても安く感じました(2024年3月時点)。
知っておきたいこと
営業時間と料金
サン・ジョルジェ城
- 3〜10月9:00〜21:00 最終入場20:30
- 11〜2月9:00〜18:00 最終入場17:30
- 城壁・塔夏は日没の時刻に合わせて18:00〜21:00のあいだに先に閉まり、冬は17:30に閉まる
- 休み1月1日、5月1日、12月24・25・31日
- 料金大人17ユーロ、65歳以上14ユーロ、13〜25歳8.50ユーロ、12歳以下無料、リスボア・カード(大人)は無料
- 事前購入公式のオンライン販売はBOL(Bilheteira Online)のみ
サンタ・ジュスタのエレベーター
- 運行2025年9月から運休、2027年1月再開との報道あり(Carris未確定)
- 確認Carrisのお知らせで運行状況を確認
ジェロニモス修道院
- 回廊火〜日 9:30〜17:30 最終入場17:00、チケット売り場は16:30まで
- 教会火〜土 10:30〜17:00、日曜と宗教上の祝日は14:00〜17:00
- 休み月曜日、1月1日、復活祭の日曜日、5月1日、6月13日、12月25日
- 料金回廊18ユーロ、12歳以下無料、13〜24歳・65歳以上・未成年の子ども連れの家族は50%割引
国立馬車博物館
- 開館火〜日 10:00〜18:00
- 休み月曜日、1月1日、5月1日、復活祭の日曜日、6月13日、12月25日
- 料金15ユーロ、12歳以下無料、13〜24歳・65歳以上・未成年の子ども連れの家族は50%割引
- 場所Avenida da Índia 136の新しい建物。旧王室馬術練習場の建物は工事で閉鎖中
ベレンの塔
- 開館火〜日 9:30〜17:30
- 休み月曜日、1月1日、復活祭の日曜日、5月1日、6月13日、12月25日
- 料金15ユーロ、12歳以下無料、13〜24歳・65歳以上・未成年の子ども連れの家族は50%割引
発見のモニュメント
- 3〜9月毎日 10:00〜19:00 最終入場18:30
- 10〜2月毎日 10:00〜18:00 最終入場17:30
- 休み1月1日、5月1日、12月24・25・31日
- 料金10ユーロ(展望台・展示・映像)、13〜25歳(リスボン市在住者を除く)5ユーロ、12歳未満無料
パステイス・デ・ベレン
- 営業毎日 8:00〜21:00、7〜9月は22:00まで
- 早く閉まる日12月24・25・31日、1月1日は19:00まで
- 住所Rua de Belém 84〜92
2026年10月に、各施設の公式サイトとリスボン観光局の案内で確認しました。料金と時間は変わることがあります。※1ユーロ=約177円(欧州中央銀行の参照レート、2026年10月2日)。たとえばサン・ジョルジェ城の大人17ユーロは約3,000円です。
用語
- ナタ(Pastel de Nata) ポルトガルのエッグタルト。サクサクと層になった生地にカスタードを詰めて焼きます
- アローシュ・デ・マリシュコ(Arroz de Marisco) 魚介を入れて汁気たっぷりに煮込んだ、ポルトガル風の魚介のリゾット
- 砲門(gun port) 城壁に開けた、大砲や銃を突き出して撃つための穴
よくある質問
リスボン空港から市内へはどう行けばいいですか?
私たちは送迎の車を前もって予約し、シアードの宿まで30分ほどでした。メトロで行くこともできますが、荷物が多いときや子ども連れなら、初日は宿の前まで行く車が楽です。メトロでの行き方やタクシーの目安は移動と準備編にまとめています。
リスボア・カードでサン・ジョルジェ城に入れますか?
2024年3月に私たちが行ったときはカードでは入れず、入場料を別に払いました。2026年10月に城の公式料金表を見ると、今は大人のリスボア・カードで無料と書かれています。12歳以下はもともと無料で、13〜15歳は城の入場券が別に必要と案内されています。
サン・ジョルジェ城の夕焼けを見るには、何時に行けばいいですか?
3月中旬、私たちが行った日は6時40分ごろに日が沈みました。城壁と塔は日没の時刻に合わせて先に閉まることがあるので、日没の30分〜1時間前に入り、先に城壁に上ってから夕焼けを見る順番にすると余裕があります。
サンタ・ジュスタのエレベーターには今乗れますか?
2025年9月から運行を止めています。2027年1月に再開する見込みとの報道がありましたが、Carrisは日付を確定していません。2026年10月のCarris公式サイトでも最上部の展望台が一時閉鎖と案内されていました。行く前にCarrisのお知らせを確認してください。代わりに、シアードの上にあるサン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台から、バイシャと城を一緒に見下ろせます(リスボン観光局の案内、2026年10月確認)。
リスボン市内からベレンへはどう行けばいいですか?
フィゲイラ広場から出る15E番のトラムに乗れば、「ジェロニモス修道院」の停留所で降りられます。私たちはBoltのタクシーで行き来しました。
ベレンは半日あれば足りますか?
私たちは12時45分ごろに着き、6時半ごろに離れました。修道院、ナタ、昼食、馬車博物館、ベレンの塔、発見のモニュメントまでで6時間ほどでした。修道院とベレンの塔の行列しだいで、もっとかかることもあります。
月曜日にベレンへ行っても大丈夫ですか?
ジェロニモス修道院、馬車博物館、ベレンの塔は月曜日が休みです。月曜日に楽しめるのは、発見のモニュメントとパステイス・デ・ベレン、川沿いの散歩くらいです。
パステイス・デ・ベレンの行列は長く待ちますか?
私たちが行った3月の平日、午後3時ごろは、持ち帰りの列でそれほど待ちませんでした(写真の撮影時刻による)。毎日朝8時から開いています。
リスボンは何日あれば足りますか?
私たちは4泊しました。市内を2日、ベレンを1日歩き、1日はシントラ方面へ出かけました。子ども連れでも1日の予定が詰まりすぎることはなく、リスボンと近郊には見どころが多いので、もっと長くいてもよかったと思います。
まとめ
- 滞在時間リスボン4泊。市内2日、シントラ1日(別の記事)、ベレン約6時間(12:45修道院着〜18:30発見のモニュメント発)
- 移動市内は徒歩、急な坂はリスボア・カードでバス、ベレンはBoltのタクシー
- こんな方におすすめ初めてリスボンへ行く家族、1日は街を歩き、1日は城で夕焼けを見て、1日は大航海時代の名残をたどりたい方
- もう一度行くなら初めての街なら、必要なところだけ前もって予約し、あとは気の向くままに歩く。私たちはこのやり方で、リスボンを十分に楽しめました
リスボンでの4日間は、ナタのひと口から始まりました。初日の夜、エレベーターの上から眺めた丘の上の城には翌日の夕方に自分たちで上って夕焼けを見て、コメルシオ広場の夜は、プロペラを打ち上げて走る子どもの姿とともに記憶に残りました。4日目にはベレンで、ポルトガルが大航海時代を切り開きながら残した跡をたどって1日を歩きました。世界のあちこちを旅していると、ポルトガルの名残に出会うことがありますが、その出発点のような河口で1日を過ごしたことで、旅から戻ったあとも余韻が長く続きました。5日目の朝にはレンタカーを受け取って南へ向かい、リスボンの日程を締めくくりました。私は初めての街では、どうしても必要なものだけ予約して、あとは気の向くままに歩き回るのが好きです。リスボンはまさにそんな街で、だからよかったのだと思います。
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確認した資料 12件
- サン・ジョルジェ城の公式サイト 営業時間・城壁の開放・休み(2026年10月確認)
- サン・ジョルジェ城の公式サイト 料金表・公式販売先(2026年10月確認)
- リスボン観光局(Visit Lisboa)のリスボア・カード販売ページ 含まれる交通・見どころ、年齢区分、一時運休中の施設(2026年10月確認)
- リスボア・カードの販売サイト 含まれる見どころ(2026年10月確認)
- Museus e Monumentos de Portugal、ジェロニモス修道院(営業時間・料金、2026年10月確認)
- Museus e Monumentos de Portugal、ベレンの塔(営業時間・料金、2026年10月確認)
- Museus e Monumentos de Portugal、国立馬車博物館(営業時間・料金・住所、2026年10月確認)
- Museus e Monumentos de Portugal、入場券の案内(無料・割引の条件、2026年10月確認)
- 発見のモニュメントの公式サイト 営業時間・料金(2026年10月確認)
- パステイス・デ・ベレンの公式サイト(営業時間・住所、2026年10月確認)
- Carrisの15E番トラムの路線(2026年10月確認)
- OGIMETの気象観測所日報:リスボン(08535)、2024年3月
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